薬物依存の怖さは、身体への影響や法律の問題だけではありません。
私が実際に経験して最も恐ろしいと感じたのは、「本当の自分」が少しずつ分からなくなってしまうことでした。
薬物の影響で感じている気持ちなのか、それとも本来の自分自身の感情なのか。
その境界が曖昧になってしまうことがあるのです。
薬の作用と自分自身の感情が混ざっていく
ナルコノン卒業生スタッフのタコです。
アルコールや違法薬物だけでなく、精神作用のある薬は、その種類や目的は異なっても、人の気分や考え方に影響を与えることがあります。
もちろん、医師の指示のもとで適切に使用される薬は治療として大切な役割を果たします。
一方で、薬物を乱用したり、薬の作用に頼る状態が続いたりすると、自分自身の本当の気持ちとの区別がつきにくくなることがあります。

例えば、薬物を使用している時には、
「何とかなる。」
「怖いものはない。」
「気にしなくていい。」
そう思えていたとしても、それは薬物の作用によって一時的にそう感じているだけかもしれません。
反対に、薬物が切れた時には強い不安や落ち込みが押し寄せ、「やっぱり薬が必要なんだ」と思ってしまうことがあります。
その繰り返しの中で、自分自身の本当の感情が見えなくなってしまうのです。
本当は何を感じていたのだろう
私自身、薬物を使用していた頃は、「薬を使っている自分」が本当の自分なのか、「薬が切れて苦しんでいる自分」が本当の自分なのか分からなくなっていました。
今振り返ると、薬物によって不安や寂しさをごまかしていただけだったのだと思います。

本当は心配だった。
本当は自信がなかった。
本当は誰かに助けてほしかった。
そうした感情に向き合う前に、薬物の作用で一時的に気持ちを変えてしまっていたため、本来の自分自身と向き合う機会を失っていました。
薬物を使い続ける時間が長くなるほど、その状態が当たり前になり、「素の自分」がどんな人だったのか思い出せなくなってしまうこともあります。
回復とは「本来の自分」を取り戻すこと
薬物依存から回復するということは、薬物を我慢することだけではありません。
私は、本当の意味での回復とは、自分自身の感情をそのまま受け止められるようになることだと感じています。
嬉しい時は嬉しい。
悲しい時は悲しい。
不安な時は、不安だと認められる。

薬物を使わずに、その感情と向き合えるようになった時、少しずつ「これが本来の自分なんだ」と感じられるようになりました。
依存の中にいる時は、その未来を想像することは難しいかもしれません。
しかし、人は回復することで、自分らしさを取り戻すことができます。
もし今、「薬がないと自分ではいられない」と感じているなら、一人で抱え込まないでください。
本来のあなたは、薬物によって作られた自分ではありません。
その人らしさを取り戻すことは、決して不可能ではないのです。
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