薬物依存は、「意志が弱い人がなるもの」と誤解されることがあります。しかし実際には、その背景には心の苦しさや生きづらさが隠れていることが少なくありません。
私自身も薬物依存を経験し、ナルコノンのプログラムを通して回復した一人です。
依存の真っ只中にいた頃は、「人生を変えるきっかけになる」などとは想像もできませんでした。しかし振り返ってみると、薬物をやめる過程は、自分自身と向き合い、生き方そのものを見つめ直す時間でもありました。
今回は、薬物依存がどのように始まるのか、そして回復とは何を取り戻すことなのかについて、卒業生として感じたことをお伝えします。
薬物依存は「薬が欲しい」から始まるわけではない

ナルコノン卒業生スタッフのタコです。
薬物依存というと、覚醒剤や大麻などの違法薬物を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、市販薬や処方薬でも依存が起こることがあります。
私の場合は違法薬物でした。
最初に薬物を使った理由は、人それぞれ違います。
興味本位、友人からの誘い、ストレス、不安から逃れたい気持ち。
けれど、多くの人に共通しているのは、薬物によって一時的に気持ちが楽になるという体験です。
自信が湧いたように感じたり、不安が消えたり、普段より前向きになれたりすることがあります。
その強い変化を経験すると、「もう一度あの感覚を味わいたい」と思うようになります。
しかし繰り返し使用するうちに身体は慣れてしまい、以前と同じ量では満足できなくなります。
使用量や頻度が増え、いつしか自分ではやめたいと思っていても止められない状態へ変わっていくのです。
本当に向き合うべきなのは依存の背景にある苦しさ

薬物依存を「薬物だけの問題」と考えてしまうと、本当の原因を見落としてしまうことがあります。
もちろん薬物そのものには強い依存性があります。
しかし、その薬物を必要としてしまった背景には、孤独、不安、自己否定、人間関係の悩みなど、それぞれ異なる苦しさが隠れている場合があります。
薬物は、その苦しさを一時的に忘れさせてくれるため、「薬物が欲しい」というより、「苦しさから逃れたい」という気持ちが強くなっていくことも少なくありません。
ナルコノンでは、依存を肉体・精神・社会生活のバランスが崩れた状態と考えています。
だからこそ、薬物をやめることだけではなく、身体の回復、正しい知識、生活習慣、そして人との関わり方まで含めて少しずつ立て直していくことを大切にしています。
私自身も、薬物の影響が残っている状態では、自分自身を冷静に見つめることはできませんでした。
身体が回復して初めて、自分は何から逃げていたのかを考えられるようになったのです。
回復とは「薬物のない人生」を楽しめるようになること

薬物依存から回復することは、ただ薬物を我慢することではありません。
本当の回復とは、薬物がなくても毎日を楽しめる自分を取り戻すことだと私は感じています。
ナルコノンのプログラムでは、身体の回復だけでなく、コミュニケーションや人生との向き合い方についても学びました。
以前の私は、人との関係に悩み、自分自身を責めることが多くありました。
しかし回復を通して、人との接し方や物事の考え方が少しずつ変わり、薬物を使用する前よりも穏やかな毎日を送れるようになりました。
薬物依存は決して軽い問題ではありません。
ですが、「一度薬物を使った人生は終わり」でもありません。
過去は変えられませんが、これから先の人生は選び直すことができます。
もし今、自分一人ではどうにもならないと感じているなら、一人で抱え込まないでください。
考えがまとまっていなくても大丈夫です。
まずは相談することが、回復への第一歩になるかもしれません。
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