「量を決めれば大丈夫」「使う日を決めればコントロールできる」。
覚醒剤を使用していた頃、私もそう考えていました。しかし、私自身の経験で言えば、それはできませんでした。最初は自分が薬物をコントロールしているつもりでも、少しずつ立場が逆転していったのです。
「この量だけ」が守れなくなっていく

ナルコノン卒業生スタッフのタコです。
覚醒剤を使っていた頃の私は、「今回はこの量を自分でペースを守って使おう」と決めていました。
最初のうちは、それができていた時期もあったと思います。
しかし、それが続くとは限りません。
覚醒剤などの刺激薬は、繰り返し使用するうちに耐性が生じ、以前と同じ量では同じような感覚を得にくくなることがあります。
すると、「もう少しだけ」と量が増えたり、使用する間隔が短くなったりする。
私の場合も、数か月後には以前より使用量が増えていました。そして時間が経つにつれて、自分で決めたはずのルールを守ることが難しくなっていきました。
恐ろしいのは、この変化が一日で起こるわけではないことです。
「自分は依存していない」
「仕事もしている」
「いつでもやめられる」
そう思っている間にも、少しずつ薬物を中心とした生活に変わっていくことがあります。
気づいた頃には、「コントロールして使っている」と思っていた薬物を、今度はやめることが難しくなっている。
自分が薬物をコントロールしているつもりだったのに、いつの間にか薬物によって自分の行動が左右されている。
私にとって、それが覚醒剤の怖さの一つでした。
覚醒剤は生活のリズムまで崩していく

覚醒剤を使い続けることで乱れていくのは、使用量だけではありません。
私の場合、使用している間は食欲がほとんどなくなり、睡眠も大きく乱れました。ところが使用をやめると、今度は強い疲労感や眠気、食欲などが一気に出てくることがありました。
特に甘いものや炭水化物を無性に食べたくなることもありました。
覚醒剤などの刺激薬を中止した後には、疲労感、眠気、気分の落ち込み、食欲の増加などが現れることがあります。これは単純に血糖値だけで説明できるものではなく、薬物によって乱れていた心身が大きく変化する中で起こるものです。
私自身、甘いものを一気に食べた後に、さらに身体が重く感じることもありました。
食べない。眠らない。そして限界が来たら、今度は長時間眠る。起きれば大量に食べる。そして、また薬物を使う。
生活の振り幅がどんどん極端になっていきました。
本来、人間の身体は、適切に食べ、眠り、身体を動かすという日々の積み重ねによって保たれています。
薬物を使う生活では、その当たり前だったリズムまで崩れてしまうことがあります。
身体が常にだるければ、精神的にも余裕がなくなります。イライラしたり、何もする気になれなかったり、人とのコミュニケーションまで面倒になったりする。
薬物の問題は、「薬物を使っている時間」だけの問題ではありません。
食事、睡眠、仕事、人間関係、そして心の状態まで、生活全体に影響が広がっていくことがあるのです。
回復とは自分の生活を取り戻すこと

だから私は、薬物をやめることを単なる「我慢」だとは考えていません。
「覚醒剤を使いたい。でも我慢しなければならない」
その状態を一生続けることが回復なら、私自身も薬物をやめることに希望を持てなかったと思います。
私がナルコノンでの薬物リハビリを通して経験したのは、薬物を使わない生活を一つずつ取り戻していくことでした。
きちんと眠る。
食事をとる。
人と普通に話す。
朝起きて、その日の予定を考える。
薬物を手に入れるために時間やお金を使わなくても一日を過ごせる。
一つひとつは、とても普通のことです。
しかし薬物を中心とした生活を長く続けていた私にとって、その「普通」を取り戻すことには大きな意味がありました。
もし今、「まだ自分はコントロールできている」と思いながらも、以前より量や頻度が増えているのであれば、一度自分の生活全体を振り返ってみてください。
最初に自分で決めた量を守れているでしょうか。
薬物がない日でも、以前と同じように過ごせているでしょうか。
そして何より、薬物を使う前よりも今の方が自由に生きられているでしょうか。
薬物をやめることは、楽しみを奪われることではありません。
薬物に合わせていた生活から、自分自身の生活を取り戻していくことです。
私自身、それができるとは思っていなかった時期がありました。それでも現在は、薬物を必要としない生活を送っています。
本人だけで解決することが難しいときには、一人で抱え込む必要はありません。ご家族だけで何とかしようとして疲れ切ってしまう必要もありません。
ナルコノン・ジャパンでは、薬物の問題を抱えているご本人だけでなく、ご家族からのご相談も受け付けています。
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