1960年代に合成されたケタミンは、現在娯楽目的の乱用が目立ち社会問題となっています。ケタミンをはじめとしたサイケデリックスはLSDと同様、精神に悪影響をもたらし危険です。最近ではリキットタイプのケタミンが一部で流行っているんだとか。今日はケタミンの効果を中心にお話ししていきます。
ケタミンとは
ケタミンは本来、医療現場で麻酔薬として使用される薬剤ですが、その特性から娯楽目的で乱用されることもあります。外見は透明な液体や白い粉末状のものが多いです。粉末は鼻から吸引されたり、大麻やタバコと混ぜて喫煙されたりする一方で液体は注射や飲料に混ぜて摂取されることがあります。
少量のケタミンを使用すると、多幸感や現実感の変容、「夢のような」意識状態を引き起こすことが報告されています。しかし、使用量が増えると、「Kホール」と呼ばれる強烈な解離体験、すなわち体外離脱や現実との断絶感覚が生じることがあります。この「Kホール」については先日のブログでお話しした通りです。気になる方はこちらのページを参考にしてください。
ケタミンのKホールが恐ろしい
Forensic Sciences Researchの研究によると、このような体験が一種の「臨死体験」にも似ており、使用者に深い影響を与えることが指摘されています。さらに、過剰摂取は医学的なリスクを伴い、心血管系や呼吸器系への負担、神経毒性など深刻な健康被害を引き起こす可能性もあります。
医薬品のインタビューフォームには、ケタミン投与後に約15%の人が幻覚や錯乱、興奮状態などの症状を示すと記載されています。これらの症状は通常数時間で消失しますが、まれに24時間以内に再発する「フラッシュバック」が起こることもあります。
ケタミンの効果は?どこで使われている?
かつては「K」や「スペシャルK」といった隠語で呼ばれ、特にトランス系音楽が流れるクラブなどで広く使われていました。ただし、ケタミンには精神を鎮静させる作用があるため、気分を高揚させたい乱用者には必ずしも好まれていなかったそうです。しかし、
タイ政府のアヌクン副報道官によれば、電子タバコに使用するフレーバー付きリキッドに麻薬に指定されているケタミンを混ぜたものがクラブに通う若者らの間で流行っていることから関係当局が取り締まりを強化しようとしている。

大麻を合法化したり、再規制したりと、やたら薬物問題で目立っているタイの現在の状況です。主にクラブなどでケタミンが使用されているみたいです。また、最近のケタミン関連のニュースでいえば、テスラ社の代表イーロンマスク氏がケタミンの使用を告白したことでしょう。世界的に有名な事業家がケタミンを使用しているのはかなり衝撃的なニュースですが。
使用者が感じる体験には、肉体から魂が遊離するような感覚、宇宙を漂う感覚、あるいは幼少期の記憶の追体験などが含まれます。その体験は非常に生々しく、現実と見分けがつかなくなるほど強烈なため、自分が実際に肉体を離れたと信じるようになるケースもあるとされています。
違法薬物は病気に効く?
イーロンマスク氏はうつ病治療に効くからという理由でケタミンを使用しているそうです。あれほどの世界的企業の代表を務める実力者ですから、精神的な負担も相当なのかもしれません。
うつ病に効くとか、病気に効くという理由はいかにも最もらしく聞こえますし、これまで違法薬物が正当化される際に「病気に効く」という構文は何度も用いられてきました。しかし、これでは違法薬物の使用者は勘違いしてしまうのも現実です。自分が使っているものは決して完全に悪いものではないという、使用の口実になってしまうのです。

ケタミンは違法薬物であり、心と体に害があり、フラッシュバックをもたらす可能性のある危険な薬物です。ケタミン依存、ケタミン関連の死亡事故は世界中で起きています。
違法薬物はどんな理由があれ、とってはいけません。ケタミンのリキッドであれなんであれ。
もしケタミンの依存や、他の違法薬物のことで悩んでいたり、そういう人を知っているという人がいたらお電話ください。ここはリハビリ施設ナルコノンジャパンです。薬物の専門家が丁寧にお話をお聞きします。
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