こんにちは、スタッフのアユです。薬物の問題を抱えている人に、それについて話題を持ち出すのは気の進むことではありませんし、むしろ恐ろしいと感じる人もいることでしょう。
しかし、言うべきことと言うべきでないことを事前に心得ていれば、実はこれはそんなに恐ろしいことではありません。今日は、どのように接したらよいかについて専門家が書いた海外の記事を日本語版でお届けします。
元のブログ記事(英語)はこちらからご覧いただけます。
言っていいこと・ダメなこと
薬物依存の問題を抱える人と話をするとき、効果的な会話をしたいのであれば、言わない方がいいことがあります。人が向き合う他の問題と同様に、薬物依存は繊細なテーマであり、話し合うのは簡単なことではありません。依存症の複雑さを理解していない人は、簡単に他人を独断し、その人の性格を決め付けてしまうことがあります。見下されていると感じれば、コミュニケーションの崩壊がしばしば起こります。
もしあなたが深刻な問題に直面しているときに、誰かがやってきて、その問題について軽蔑的な態度で話し始めたら、あなたはどう感じますか?その人に心を開いて話を聞こうという気になるでしょうか?私はそうは思いません。では、もしその人が思いやりをもってあなたに話しかけ、判断や非難をすることなく、あなたの言うことに耳を傾けてくれたらどうでしょう。心を開くのが、どれだけ簡単に思えることでしょうか?
あなたが薬物使用の問題に苦しんでいる人と話している時は、彼らは感情的になりやすく、過去の傷を抱えており、困難を持つ人であることを心得ておくことが重要です。あなたは、家族や大切な人を故意に傷つけようとする人と話しているのではありません…これは、依存の罠にはまればはまるほど起こる、依存の悲しい一面に過ぎないのです。
薬物依存について話すとき言ってはいけない5つのこと
1. いい加減やめたらどうなの?
多くの場合、人は苛立ちからこの言葉を口にします。外から見ている人にとっては、正当な質問のように思えます。なぜ、自分の人生を破壊するようなことを続けるのでしょうか?それは理にかなっていませんよね。薬物依存でない人は、自分の人生を破壊するような悪い結果に気づいたら、やめようと考えることができます。しかし薬物依存者の視点からすれば、あなたがこのようなことを言っても、彼らを助けるものではなく、彼らは守りに入ってしまうだけなのです。
2. ○○さんはできたのに、なぜあなたはやめられないの?
自分と他人とを比較することは建設的とは言えませんし、これを他人に対して行うことも同様に無駄なことです。どのように他の人ができたのか、自力でやめることがいかに可能なのかを指摘しても、あなたの大切な人が自力でやめられるようになるわけではありません。助けなしにやめられる人もいますが、薬物依存になった人のほとんどは、改善に向かうために何らかの援助が必要です。
3. どれだけ人に迷惑かけてるかわからないの?
あなたの大切な人は、自分の行動が他人に与える影響を気にしていないように見えるかもしれませんが、通常これは真実ではありません。薬物依存に関して言えることは、周りの人が薬物を使用しているかどうかにかかわらず、関わる人達全員を傷つけるということです。その結果、薬物依存者は、依存していなければ通常しないようなことを言ったりしたりします。これは、虐待や有害な行為に対して我慢すべきということではなく、その原因が薬物依存であると認識することが重要だということです。
4. なぜ薬物依存になる道を選んだの?
この質問をすることは何の意味もなさないばかりか、破壊的なことです。誰かにこれを言うのは、顔をひっぱたくようなものです。最初に薬物を使い始めたのはその人の選択だったかもしれませんが、本格的な依存になるのは、通常その人の選択ではあり得ません。薬物に人生を支配されることなく、薬物を試すことができる人もいれば、一度試してすぐに依存になる人もいます。この質問をすることには何の生産性もありませんし、そうする理由もありません。重要なのは、どうしてこうなってしまったのかではなく、これを解決するために何ができるのかということであるはずです。
5. あなたってひどい人ね
「薬物依存だなんてひどい人間だ」などと言っても、その人が変わることはありません。むしろ相手は防衛的になり、あなたの言うことを何も聞こうとしなくなるだけです。あなたの大切な人が、もう知らない人に変わってしまったと感じるかもしれませんが、あなたがどう考えているかを伝える方法はいろいろとあります。この場合もその人ではなく、行動に注目することが重要です。
代わりに言える5つのこと
1. あなたが良くなるために、私たちに何ができる?
薬物依存者は多くの場合、自分には助けが必要だとわかっていますが、どう求めればいいのかわからないだけです。このような質問をすることで、あなたは問題があることを認め、解決策を見出す手助けをする意思があると示すことができます。あなたが味方であり、良い方向に向かう手助けをしたいのだと感じれば、人はもっとオープンに助けを求めるようになるはずです。
2. 専門家に助けを求めることは有益だと思う?
多くの人が、薬物依存を克服するために何らかの専門的な助けを必要としています。これだけ多くの治療法が存在しているのは、それだけ薬物依存は自力で克服するのが難しいからです。確かに、助けを借りずにできる人もいます。しかし、このプロセスをより効果的にし、長期的な成功を高めるために、何らかの支援を求めることは、通常良い考えです。
3. あなたが~をすると、私は~と感じる
これは、他の人の行動があなたにどのような影響を与えるかを伝える効果的な言い方です。相手はまだ話をそらそうとするかもしれませんが、自分の行動が大切な人にどのような影響を与えるのか、より理解しようとするようになるはずです。これができるようになれば、彼らはより良い変化を遂げることができるようになるでしょう。
4. どうしてこうなったのかはわからないけど、助けたい。
薬物依存の治療が必要な段階になってから、どうしてこんなことになったのか聞いても、あまり意味がありません。ですから、この時点であなたがサポート役としてできる最善のことは、どうすれば助けを得られるか、考えるのを手伝う意思があることを伝え、そのプロセスでできる限りのサポートをすることです。
5. あなたの依存の状態は、いつものあなたじゃない行動を取らせている
問題となっている薬物依存に焦点を当てることで、その人は自分の行動が自分の人生にどのような悪影響を及ぼしているかをより積極的に見ることができるようになります。さらに、攻撃されていると感じなければ、人は有害な行動の責任を受け入れやすくなります。ですから問題に焦点を当て、あなたがこの人を良くしたいと心で思っている大切な人なのだということを忘れないでください。
優しさ、思いやり、そして理解の段階をもって相手に語りかけることができれば、その人が良くなるのを助けるために、より良い立場に立つことができるのです。自分を批判し、自分が悪いことをしていると話されるのを1時間も聞きたい人などいません。人ではなく、問題に焦点を当てることができれば、本当の問題に対処することは簡単になるのです。
責めるのではく、愛情を。
以上が記事の翻訳でした。
薬物問題という向き合い難いテーマの中で、愛情を保つのは簡単なことではないかもしれません。しかし、助けを受け取ってほしいという気持ちは、責めることよりもきっとご本人に伝わることでしょう。
何も解決策はないけれど、とにかく薬物をやめてほしいと懇願することと、解決策があるから状態をより良くしようと問いかけることは全く違います。
ナルコノンは、その解決策です。
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