「空きっ腹でお酒を飲むと酔いやすい」と、聞いたことがあるかもしれません。重度のアルコール依存の方は、食事も取らずに(または取る気が起こらず)、いきなりお酒を飲み始めるケースもあります。食事や栄養がない状態でアルコールを飲んでしまうと、体へのダメージはより高いものになります。それはなぜでしょうか。
アルコールの吸収とその速さ
アルコールは、身体のどこから体内に吸収されるかご存じですか?
正解は・・・
胃と小腸で吸収されます。
吸収される量はそれぞれ異なり、通常は、飲んだ量の20%程度は胃から、残りは小腸上部から吸収されます。胃からの吸収に比べて、腸からの吸収は速いことが知られています。
飲食物を胃から腸へ送る速度は変化します。この速度を胃内容排出速度といいます。これは医薬品の吸収や、血糖値の管理において、とても重要な指標になるものです。
この胃内容排出速度は空腹時に速くなり、食事中はゆっくりになります。
(参照URL:MSDマニュアル – 薬物の吸収より)
空腹時は胃に入ったものは、すぐに腸に送られ、食事中に胃に入ったものは、ゆっくりと腸に送られるということです。
空腹時と食事中の血中アルコール濃度
では、空腹時にお酒を飲むとどうなるでしょう?
お酒の中のアルコールは胃から吸収され、すぐに腸に送られ、腸からもすぐに吸収されていくので、血中アルコール濃度がすぐに上がってしまいます。
食事中にお酒を飲むとどうなるでしょう?
お酒は胃から吸収されますが、腸にはゆっくりと送られるため、腸からの吸収は穏やかとなり、血中アルコール濃度はゆっくり上がっていきます。
実際にアサヒビール、空腹時にアルコールを摂取した場合と、食事と共にアルコールを摂取場合を比較して、実験を行っています。
空腹時の方が血中アルコール濃度が高くなりやすく、血中からアルコールが無くなる時間も、空腹時の方が遅くなるという結果になっています。
(参照URL:アサヒビールHPニュースリリースより)
血中アルコール濃度と酩酊状態(酔っている度合い)には関連性があり、これは飲み方が状態の悪さを左右すると言えるでしょう。
◆血中濃度(%)
0.02~0.04 爽快期
0.05~0.10 ほろ酔い期
0.11~0.15 酩酊初期
0.16~0.30 酩酊極期
0.31~0.40 泥酔期
0.41~ 昏睡期
(参照URL:厚生労働省HP e-ヘルスネット – 血中アルコール濃度より)
最低でも空きっ腹での飲酒は避けましょう。
しかし、食事しながら飲酒すれば酔わない、と言っているわけではありません。
ましてや、食事のみでアルコール依存は解決しません。
ですが、状態を上げることは、アルコール依存に向けた解決の第一歩です。
アルコール依存は解決できる問題です。
まずはナルコノンに、すぐにご相談ください。
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