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【前編】知らぬ間に薬物依存を助長している?:イネーブルにおける10のサイン


あなたに、薬物依存に陥っている大切なご家族や恋人がいるなら、きっとあなたはその人を助けたいと思って、このブログを読んでくださっているのではないでしょうか。

しかし、助けたいのにも関わらず、無意識に…または葛藤しながら行っているあなたの行動が、効果がなかったり、むしろその人の依存を助長することになっているかもしれません。どのような行動が依存を助長させて(=イネーブルする)しまうのか、明確に知っておく必要があるでしょう。

今日は、イネーブリングについて書かれた海外の記事を日本語でご紹介します。2回に分けて掲載しますので、今回はその前編です。(翻訳:清水亜悠子)

元のブログ(英語版)はこちら(What Enabling an Addict Looks Like: Ten Signs You’re Enabling Your Loved One)からお読みいただけます。

イネーブルって何?

薬物依存やアルコール依存に陥っている人との関係上で使われる言葉、イネーブル(enable)とは、その人の依存を促す行動のことを言います(*enableとは、もともと「可能にさせる」という意味があります)。

薬物依存の問題を抱えている人が、自分の行いによって悪い結果を引き起こした時、それを本人が引き受けることを妨げる行動(例えば、つまずく度にサポートしてしまうなど)は事実上、薬物やアルコールの使用を続けやすくします。

薬物依存者の家族は、本人が薬物やアルコールを使い続けることを可能にするような行動をとることが非常によくあります。

薬物やアルコール依存を助長させる10の行動

ここからは、ケアやサポートのように見える行動が、むしろ依存者が薬物やアルコールを使い続けることを助長してしまうことになる例を、10個挙げていきます。

1. 認めないこと

依存者のご家族などが、自分の大切な人は「それほどひどい状態ではない」とか、この状況は「まだ大丈夫でしょ」と自分に言い聞かせる時、それは事実上、その人が依存で苦しんでいることを否定していることになります。

依存の問題を認めないまま、依存と正面から向き合うべきだと主張することはできません。依存を認めないことで、依存者は使い続けてしまいます。

2. 一緒にお酒を飲むこと

アルコール依存の人と一緒に酒を飲むことで、「共感」を得ようとしたり「絆」を深めようとすることは、その人の依存行動を「普通のことである」とし、その行動を継続できるようにしてしまいます。

いかなる理由であっても、アルコール依存者のそばで飲酒したり、薬物を使用したりしてはなりません。

3. 平穏を保つこと

依存者の家族が、飲酒や薬物使用について本人と会話を決してせず、家庭の「平和を保つ」ことは、依存者に薬物を使い続けるためのフリーパスを与えているのと同じです。この現状が続くなら、何も変わることはないでしょう。

4. イメージを守ること

この状況をより明確に理解しており、このテーマについて話すことをいとわない人々もいます。彼らに対して、依存で苦しむあなたの大切な人を弁護することも、依存行動を「イネーブル」することになります。

薬物やアルコールの使用に関して本人を弁護することは、その行動を正しいと言っているのと同じであり、この行動を変える必要性があるという明らかな緊急性が挫かれてしまいます。

5. 本人の責任を代わりにとってあげること

依存者が、家庭、仕事、学業、親戚関連など責任を果たせない時、その人ができることやすべきことを、誰かが代わりに介入してやってくれることで、依存の状態が可能になります。依存者が誰かを頼る時、彼らは自分の行動に対する責任を逃れ、回避するのです。

6. コトは「良くなる」と信じること

依存者の飲酒や薬物使用を、単なる「人生の困難な時期」とみなさないでください。他者からの意見などを浴びることなく、依存者は使用を続けられるのですから、これは「イネーブル」のひとつの形と言えます。

7. 行動を寛容にとらえること

依存に陥っている大切な人が、自立した意志を持つとして、「もう大人なんだから、自分で判断してきっと乗り越えるでしょ」と思い込まないでください。いい加減にしなさいと誰にも言われず、使用を続ける自由を与えられるのですから、これはひとつのイネーブルの形です。

8. 経済的に援助すること

依存者のために請求書を支払ってあげたり、お金がない時に現金を渡したりすることは、結局のところ、彼らが薬物を使用し続けるために「もう1日やり過ごす」のを助けることになります。金銭的に支援することで、飲酒や薬物使用による本当の害は見えなくなります。

9. 法律から守ってあげること

薬物やアルコール依存の人が法を犯した場合、その行為が、自分は依存を克服するために助けが必要なのだと気づくきっかけになる可能性があります(厳しい試練ではありますが)。

しかし、他の人が介入して、その法律違反の結果から彼らを守ろうとすれば、依存者は自分のやらかした行動の本当の影響を学ぶチャンスを逃してしまうでしょう。

10. 薬物依存治療ではない支援を提供すること

依存者は、泊まる場所を求めたり、車を借りたり、携帯電話を借りたり、ローンを組んだり、電化製品や貴重品を借りたり、何かの証人になってほしいと求めることがあります。

その人が良質な薬物依存治療センターを見つけ、リハビリを始めることにつながらないならば、いかなる援助や支援をすることも、その薬物依存者の不健康な行動を、事実上継続させることになります。

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以上が海外からの記事の翻訳の前編でした。

では、イネーブルすることなく正しく助けの手を差し伸べるには、どのようにすれば良いのでしょうか?後編ではその方法について具体的にお話をしていきます。ぜひお読みください。

【後編】知らぬ間に薬物依存を助長している?:イネーブルせずに助ける5つの方法

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