アルコール依存の問題を解決するときに、大切なことがあります。依存者の方をただ説得する、とにかくぶつかっていく…では解決しません。何事にも準備が必要です。アルコール依存は高い山です。準備もなしに富士山を登頂することは出来ません。
アルコールを知ろう
アルコールとは一般的に、お酒に含まれるエタノールを指すことが多いです。お酒は水分とアルコールで出来ており、そのうちのアルコールの割合を、アルコール度数と言います。
強い酒というのは、アルコール度数、つまり同じ量でもアルコールの割合の多いお酒のことを言います。
このお酒の中に含まれるアルコール(エタノール等)は、脳の中に入ることができ、脳を麻痺させる作用があり、この麻痺した状態を、私たちは「酔い」と呼んでいます。
この麻痺はアルコールを摂取した量に応じて生じ、少量であれば軽い興奮状態となります。気が大きくなったり、気分が良くなったりするのがこの段階です。
しかし、量が大きくなると麻痺の度合いは大きくなります。致死量は人によって異なりますが、経口致死量は大人6~10ml/kg(100%液)で、ウイスキーのボトル2本くらいです。
(参照URL:健栄製薬 – 消毒剤の毒性、副作用、中毒より)
ただし、急性アルコール中毒やアレルギーでは、これよりはるかに少ない量、ワイン1杯でも、死に至ることもあります。
アルコール 飲む量の基準
厚生労働省は、21世紀における日本の健康寿命を延ばす取り組みとして、通称「健康日本21」と呼ばれる健康を作るための運動をまとめました。
その中で、節度ある飲酒の量と多量飲酒について、以下のように定義しています。
通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。
(参照URL:厚生労働省HP e-ヘルスネット – 飲酒のガイドライン 1. 節度ある適度な飲酒より)多量飲酒とは1日平均『60グラム以上』の飲酒です。
(参照URL:厚生労働省HP e-ヘルスネット – アルコール関連問題の分類 2. 多量飲酒より)
つまり、20g以下であれば節度があり、60g以上で多量になるという基準です。
一般的なお酒の中のアルコール量は以下の通りです。
コップ1杯(200ml)あたりのアルコール量
- ウイスキー(ストレート) 80ml
- ウイスキー(水割り) 27ml
- ワイン 24ml
- ストロング酎ハイ 18ml
- ビール 10ml
飲食店で提供される、またはスーパーやコンビニで販売されているアルコール量の目安
- ストレート(シングル) 12ml
- ウイスキー(水割り) 12ml
- ワイン(グラス) 15ml
- ストロング酎ハイ(500ml缶) 45ml
- ビール(500ml缶) 25ml
ウイスキーをボトルで飲んでいれば問題外ですが…これが、実際どのくらいの量にあたるかを見てみましょう。
1日あたりの目安
【節度ある飲酒】
ウイスキー水割り コップ1杯
ワイン グラス 1杯
ビール コップ 2杯
【多量飲酒】
ウイスキー水割り コップ5杯以上
ワイン グラス4杯
ビール コップ6杯
以上のようになります。ですから、1日で以下のような飲み方をしていると、解決が必要となってきます。
- ウイスキーストレートをコップで飲む
- ワインボトル1本
- ストロング酎ハイ500ml缶2本
- 缶ビール500ml缶3本
ただの酒飲みと思い、まだ大丈夫と思ってしまいがちですが、アルコール依存は放っておくと、どんどん悪化します。
多量飲酒は大きな問題となります。すぐに向き合いましょう。まずはアルコールを知り、その対策を知りましょう。
ご相談はナルコノンまで、お待ちしています。
薬物やアルコール依存について情報を得たい方へ
薬物やアルコール依存の問題に関する情報を配信します。