今日は、あまり耳慣れない薬物についてお話したいと思います。それは「ブロムワレリル尿素」という名前です。これが含まれる市販薬に、ウットやナロンエースがあります。長い歴史を持つ薬物である「ブロムワレリル尿素」…どんな背景があるのか見ていきましょう。
ブロムワレリル尿素の歴史
ブロムワレリル尿素は鎮静剤として使われます。ブロムワレリル尿素のブロムという物質に、神経の興奮を沈める作用があるためです。
古くはカルモチンという商品名で販売されており、鎮静催眠剤として使われていました。いわゆる、睡眠導入剤です。
古くは芥川龍之介、太宰治、金子みすゞが自殺に用いたとされる睡眠薬です。彼らが使用したとされる当時も、カルモチンという名前で売られていました。ちなみにこの成分の医薬品は、現在でも入手可能です。
1907年に発売開始されましたが、オーバードースで死亡する危険性があるとして、アメリカでは医薬品としての販売は禁止されています。日本においても、1965年より風邪薬には使用できなくなりました。
乱用による依存、そして激しい離脱症状を生じる可能性の高い習慣性医薬品であり、ブロムワレリル尿素は「乱用の恐れのある医薬品の成分」として扱われています。
ブロム(元素記号:Br)は日本語では臭素(しゅうそ)と呼ばれます。これは身体に大量に存在すると、臭素中毒、ブロム中毒となって、身体的にも精神的にも様々な悪影響を及ぼすことがわかっています。
市販薬として
このブロモワレリル尿素が含まれる市販薬の1つ目は、ウットです。鎮静剤として販売されています。
もう一つはナロンです。ナロン錠、ナロン顆粒、ナロンエースT、ナロンエースプラスにブロモワレリル尿素が含まれています。
ブロモワレリル尿素は、今までご紹介してきた薬物たちとは違い、麻薬というよりは、睡眠薬や麻酔薬の仲間です。
麻酔薬に近いので、意識が朦朧とする状態、身体の感覚がなくなる、寝ているのか起きているのかわからない、記憶がなくなると言ったことが起きる可能性があります。
これらを過剰摂取(OD)してしまうと、眠くなるというより、意識がなくなってしまいます。
依存性も高く、他のものと同時に摂取するとその効果も高まりやすくなるので、その取り扱いには、十分に注意を払う必要があります。
使用の際には、必ず薬剤師、登録販売者の指導の下、服用してください。
ご家族の様子がおかしい、これらの薬を大量に見かけた、大量に服用した痕跡を見た場合は、十分に注意を払ってください。この過剰摂取は、依存性が非常に高いのです。
しかし、薬物問題はやってしまったらもう終わりというわけではありません。
取り返しのつかない事態になる前に、薬物問題は解決できるものです。
まずはナルコノンにご相談ください。スタッフが親身にお答えします。
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