こんにちは、スタッフのアユです。
どの職業にも、隠語というものがあると思います。そして、ご存じの方も多いと思いますが、薬物にはたくさんの隠語があります。
隠語はなぜ生まれるのでしょう?そんな視点から今日はお話してみますね。
薬物の隠語のひとつ:あんぱん
薬物の隠語を調べていると、「ああ、これくらいなら聞いたことある」というのもがたくさん出てきます。シャブ、アイス、クリスタル(いずれも覚せい剤を意味する隠語です)など…もしかしたら、あなたの通っていた小学校や中学校で、薬物の危険性についての講演などが行われていたかもしれません。
そういった講演のことって、中身は覚えていなくとも、意外とそれがあったということは記憶にあったりするものです。
「あんぱん」が何を指すか、知っている人はいますか?私は、薬物リハビリに携わるようになるまで知りませんでした。これは、シンナーを意味する隠語です。
昔は、若者の間でのシンナー乱用が流行した時代がありました。ビニール袋に液体のシンナーを入れ、それを気体化させて吸います。
ビニール袋に顔を付けて吸う姿が、袋に入ったアンパンを食べる姿に似ているところから、アンパンと言われるようになったと言われています。
(真面目にあんぱんを作っている人々からしてみれば、もしくは、あんぱんからしてみたら、とんでもないことですが!)
シンナーはそもそも有機溶剤ですから、日常生活でも使用される化学物質のひとつです。
有機溶剤が入っている商品として区別されるものに、お酒(アルコール、エタノール)、ネイルの除光液(アセトン)、塗料(エステル、エーテルなど)などがあります。ガソリンもそうですね。(参照URL:洗浄・溶解・接着等 お役立ち便覧 – 有機溶剤とはより)
薬物として乱用されるシンナーは、上記のように通常売られているものは異なり、トルエンという成分がより多く入っています。トルエンはトロールとも呼ばれるため、「純度の高いシンナー」という意味合いで「純トロ」という隠語もあります。
便利なものとして使われ始めた有機溶剤も、知識のない人々に悪用されてしまったために、危険薬物と分類されるものが出てきたわけです。
それが周囲にバレないようにするために、隠語は生まれるのです。
薬物だけじゃありません – いろんな業界の隠語
ちょっと話は変わりますが、隠語というのは、何も薬物のことだけに使われるわけではありませんよね。
特定の言葉や内容を、周りの人(特にお客様)にわからないようにするために、使われる言葉ですし、いろいろな業界にそれぞれの隠語があります。例えば、レストランひとつとっても、隠語はあります。ちなみに、私が学生時代にアルバイトをしていたところでは…
3番
トイレのこと。「ちょっと3番行ってきます」などと使います。これはレストランにより番号が違うと思いますが、大体番号で呼ぶところが多いです。
シルバー
スプーン、フォーク、ナイフのことです。お察しの通り、これらの食器が銀色なのでそう呼ばれます。「〇番テーブル、シルバー足りてる?」なんて言いますね。
バッシング
悪いことを言うことではありません。これは、食べ終わった食器を下げることです。
ヤマ
売り切れのこと。「今日のおすすめヤマです!」と言われたら、今日のおすすめは売り切れということ。
アニキ
これは、より古い食材などのことを指します。「この2つのレモン、どっちが兄貴?」と聞かれたら、「右のは先週買ったやつだから、そっちが兄貴だよ」のように使います。
これからの言葉は、お客様に不快な印象を与えないようにするため、配慮して生まれた言葉たちです。
薬物の隠語が生まれる理由を考えてみた
薬物には隠語がたくさんあるとお伝えしましたが、そもそもこれは、周りの人に知られないようにするため、仲間内だけで理解できるように生まれた言葉たちです。これは、周りの人に配慮した言葉ではなく、やましいことを隠すため、もしくは自分が本当には理解していない危険なものについて茶化すために生まれた言葉たちと言えます。
薬物やアルコールを乱用することは、周りの人がやめろ、やめてほしい、やめないと〇〇だ…などと言っても、結局は自分が気づかなければ本当にやめることはできません。
どれだけ約束をしても
どれだけルールを作っても
どれだけ仲直りをしても
本人が気づかない限り、本人が決断しない限り、周りが本人に代わって決断してあげられるわけではないのですから。
ナルコノンは、段階を追って自分自身に向き合えるようになっていきます。
本当の意味で薬物から解放される日を、一緒に迎えましょう。
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