薬物をやめることは可能である…それを証言してくれるのは、本当にそれを体験した人だけでしょう。ナルコノンでは、薬物を完全に卒業して新しい人生を歩んでいる人たちの体験を聴くことができます。今日は、そんな頼もしい卒業生の実体験をぜひお読みください。
薬物に出会うまでの僕
小さい頃から、自分はとても好奇心旺盛な子どもだったと思いますよ。なんでも「自分で経験してみたい」「やってみないとわからない」そんな気持ちが人一倍強いタイプでした。
免許もないのにバイクに乗ってみたがったり、中学生のときはすでにお酒もタバコも興味津々でした。悪いことがしたかったとか、危険なことをしたかったのではなく、「知らないものを知りたい」という感覚の方が勝ってるって感じですよね。

それに、自分の生きていた経歴だけ見ると、薬物とは無縁の成功者の人生にも見えます。
正直、誰もが知っている有名な大学を卒業しましたし、26歳でITベンチャー企業を起業して、28歳の頃には港区のタワーマンションに住んで、従業員20名の生活を支える立場になっていました。30代の頃は経済的に余裕もあって、欲しいものはわりと手に入る生活でした。
人から見たら、なんて良い人生なんだろうって思うかもしれません。
薬物を使い始めた頃
初めて使った薬物は、25歳のときの大麻でした。「クリエイティブになれる」って思わせてくれたんです。でも実はそれは一時的な感覚で、実際には体が石のように固まって、頭の中で妄想だけが膨らむんですよ。現実の行動にはほとんど結びつきませんでした。それでも当時の僕は「違法だけど自分には必要なものだ」「自分は依存じゃない」と強く思い込んで、ほぼ毎日のように使うようになっていきました。

30歳の頃、仕事でうまくいかないことが続いたとき、大麻を切らしたことがありました。「今すぐ吸って楽になりたい」「嫌なことを忘れたい」という衝動に自分が支配されていると初めて気づいたのは、このときです。
さらに心が弱くなっていく中で、人前でプレゼンするときの緊張を和らげるために、MDMAを使うようになりました。そしてコカイン、LSDにも手を出すようになり…薬物との関係は、静かに、しかし確実に進行していました。
家族にカミングアウト 結果は…
ナルコノンに辿り着く2年前、37歳の時に初めて覚せい剤を使いました。そのとき実は、僕は子どもが生まれたばかりだったんです。なんと売人は僕に「出産祝いだ」と言って覚せい剤を勧めました。
父親になったのだから、普通ならためらいますよね。でも10年以上大麻を使い続けて、体は重く、頭は霧がかかったような状態になっていて、「シャキッと頑張れる何か」を求めていた僕には、断ることができませんでした。

覚せい剤の影響は、それまでとは別物でした。次第に覚せい剤のことしか考えられなくなり、それを摂取するために生きるようになって、仕事をしているふりをしながら一日中薬物に溺れる生活が一年以上続きました。
限界を感じて家族に本当のことを打ち明けましたが、「やめる」と宣言しては嘘をついてまたやってしまい、家族との関係はむしろ悪化していく一方でした。自暴自棄になっていく自分、どうしたらいいかわからない両親、衝突する家族関係…僕は完全に孤立しました。
「こんな無価値な自分は消えてしまった方がいい」そう考えるところまで追い詰められていました。でも死ぬ勇気はない…そしてまた「これが最後の一発だ」と言い、泣きながら使う。ここが僕の人生の底だったと思います。
ナルコノンとの出会い
覚せい剤は、一人では決してやめられません。僕は薬物に支配されていました。ナルコノンに辿り着いたとき、僕の頬は痩せこけ、目つきは怯え、肌は荒れ、栄養も入らず、実年齢以上に老けていました。
僕はインターネットでナルコノンを見つけ、電話をかけました。スタッフは、僕がひとりで薬物をやめられなかったことを、誰ひとり一切責めませんでした。見学に来ることを勧めてくれて、施設に来たときには「すごい!よく来たね」と言ってくれました。
消えてしまいたいほど自己効力感を失っていた私にとって、それは光の言葉でした。

僕は見学に来た日、そのままプログラムを始めることを決意しました。単に薬物をやめるのではなく、人生を変えようと思いました。
僕は、人は否定されるよりも、認められ褒められたときにもう一度頑張る力を発揮できるということを、ナルコノンで初めて学びました。そして、自分の体を大切にしようという意識が自然に芽生えました。すると、自分の体に有害なものを摂取したいと思わなくなっていきました。我慢ではなく、自然にです。
数ヶ月の間に肌つやは明らかに良くなり、プログラム中に40歳の誕生日を迎えたとき、僕は「今が一番若いのでは」と思うほどでした。
我慢しなくてもいい状態へ!
もちろん、薬物をずっとやめられなかった人たちや、そういった家族を抱える人たちは「施設を出たらまた使ってしまうのでは?」と不安に思う方もいると思います。
でも僕は、薬物に使っていたお金を、ビタミンや健康のために使うようになりました。僕がナルコノンを卒業してから4年、家族や仕事を立て直すために決して楽ではない試練もありましたが、薬物に頼らず対処してきました。
僕の40歳からの人生は、薬物のない人生になりました。

もちろん、失った信頼を取り戻すには時間がかかります。でも僕は、その責任も含めて今を一生懸命生きています。僕のこの体験談が、今どこかで苦しんでいる本人や、そのご家族の力になればと思い、今日はこれを書きました。
もし少しでも心が動いたなら、迷わずナルコノンに連絡してください!本人からでも、ご家族からでも大丈夫です。「よく連絡してきてくれましたね」そう言って、スタッフのみんながきっと迎えてくれます。
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