連休には、薬物やアルコール乱用の誘惑が高まる罠があります。
ゴールデン・ウィーク、夏休み、シルバー・ウィーク、年末年始…仕事に行かないで良いなら、コロナであまり人と会わないから…様々な理由でその誘惑がやってくるようです。
ご家族の薬物やアルコール乱用の心配をする方からの「クリスマスや年末年始などの連休が怖い」というご相談はよくあります。今日は、なぜ薬物リハビリを連休明けにすべきではないかについて、海外の記事を日本語版でご紹介します。(※日本の現実性に合わせて内容を一部変更しています。)
元のブログ記事(英語)は、こちらからご覧いただけます。
薬物依存と連休…ストレスを感じる季節
あなたの準備が整っていようといまいと、年末年始の連休はやってきます。この季節は、家族や恋人と一緒に過ごす楽しい時期だという人も多い中、経済的な事情や家庭の事情で、この時期がストレスだという人もいますよね。
いずれにせよ、あなたの大切な人が薬物依存の問題を抱えているなら、この時期はよりストレスの多いものになってしまうことでしょう。
多くの家族の方々が、本人に「薬物リハビリをしよう」と伝えるのは、年末年始の連休が終わるまで控えた方がいいのでは、と思うようです。見て見ぬふりをしてきた話題を持ち出し、せっかくの長期休みが台無しになるのは怖いですものね。
反発されてしまうのでは…自分たちと話したがらなくなるのでは…それも心配でしょう。このような懸念は当然ですが、薬物依存が原因でリハビリが必要な時に、その話を控えるべき十分な理由にはなりません。
薬物依存は命に関わる問題である
人は、薬物依存が命に関わる問題であるということを、忘れてしまうことがあります。
昨今はストリート・ドラッグが流行してしまい、自分が一体何を買っているのかよく分からなくなっているのかもしれません。自分は「コレを買った」と思ったのに、違うものが混入しているものだったと、後で気づくこともあるかもしれません。薬物使用のリスクは非常に高いので、治療を受けるのを差し控えることは決して良いアイディアとは言えません。
パソコンの向こう側から「問題に正面から向き合うことが重要です」とタイピングするだけなら、そりゃあ実際に自分で行動を起こすよりずっと簡単だろう、と思うかもしれません。
薬物リハビリを本人に勧めることは、感情的なジェットコースターのようなもので、どんな展開が待っているか確実には分かりません。しかし1つだけ確かなことは、リハビリを勧めてそれが成功しなかったとしても、少なくとも事態を改善するためにできることはすべて行ったと実感することはできます。
また、それによって変化の種が蒔かれ、後に成長する可能性もあります。
リハビリを年末年始の連休後に先延ばししてはいけない5つの理由
年末年始の連休の前に薬物リハビリの話を切り出すべきか、その後にすべきかをあなたが迷っているのであれば、早くに行った方が良い理由をいくつか挙げてみましょう。
1. 過剰摂取のリスクが大きすぎる
薬物の使用期間が長ければ長いほど、過剰摂取のリスクは高くなります。
薬物を長く使うほど耐性は上がりますが、薬物を買う時は、自分が何を使っているのかはわかりません。売人達の中に、安全な薬物だけを売りましょうなんてルールはありません…「安全な薬物」など存在しないのですから。
通常、薬物の売人は顧客の安全よりも自分の利益を重視します。薬物に何が入っているか、どれくらいの効力があるかはわかりませんから、過剰摂取の危険性は常にあり、使う度にその危険性は増していきます。
2. 家で薬物を使うより治療を受けている方が安全
薬物やアルコールに依存している人にとって、薬物を使い続けられる環境にいるよりも、治癒を促す環境にいる方が通常はるかに安全です。
入所型治療施設の主な目的は、人が回復するのを助けることです。薬物やお酒を断ち切ることは難しい取り組みではありますが、それらが簡単に手に入ってしまう環境で行うのは一層困難を極めます。
自宅で過ごすより、リハビリ施設に行った方が断ち切ることに成功する傾向があるのは、安全な環境で自分の問題に集中する機会が得られるからです。
3. 連休中のストレスが軽減される可能性が高い
最初はそう思えないかもしれませんが、あなたの大切な人が家でハイになっているよりも、治療を受けて回復している方が、連休中のストレスはかなり軽減されるはずです。
少なくとも治療を受けていれば、過剰摂取していないか、薬物の影響下にあるまま家族の前に現れたりしないかと、心配する必要はないでしょう。もちろん、連休中に治療を受けることについて、初めは反発や憤りがあるかもしれませんが、これは訴訟費用や過剰摂取の心配をするよりも、はるかに良い選択です。
4. 生きていれば「来年」がある
年末年始の連休シーズンの素晴らしい点の1つは、毎年巡ってくるということです。
あなたの大切な人は、治療を受けるために今年のクリスマスやお正月を欠席しなければならないかもしれませんが、その埋め合わせは来年できます。
一方、薬物依存の問題に取り組まなければ、彼が来年のこの季節を過ごせなくなる可能性は高くなります。リハビリで過ごす年末年始は、刑務所やそれよりひどい場所で過ごす年末年始よりもずっと良いものです。
5. できることはすべてやったと実感する
薬物依存は恐ろしい状況です。なぜなら、自分にはコントロールできないと思わせるからです。外から見ると解決策はとても簡単そうに見えますが、薬物依存の現実を見たことがある人なら、事態はもっと複雑であることを知っているはずです。
家族はよく、もうあなたの人生を破壊するのはやめてちょうだい…どうしたら私が考えるように考えてくれるの…と思うものです。しかし悲しいことに、本人が見ようとしないものを無理やり見せることはできません。
あなたの大切な人が良くなるために、あなたのできることはすべてやったと思えることが、その本人の安心につながることもあります。
助けを求めるかどうかは薬物依存者ご本人次第、というのは事実です。しかし、人が薬物依存者にし得る最悪のこととは、その人が薬物依存を続けられるようにしてしまうことです。
少なくともリハビリを勧める話を始めることで、その人が良くなるためにあなたができることはすべて行ったと実感することができ、その時点で、あとは本人の責任となります。
リハビリをするのに最適な時期とは
年末年始の連休は、大切な人をリハビリ施設に送り出すのに最適な時期とは思えないかもしれませんが、実際のところ薬物依存とは、すぐに対処するのが常にベストです。治療するのをためらうのに十分な理由はありません。
この問題は、長く続ければ続けるほど、悪化の一途をたどります。
薬物依存の状態は、長引けば長引くほど徐々に悪化していきます。薬物やアルコールに依存している人が成功するための最善策は、質の高い入所型治療プログラムで、問題に対処するのを助けることです。
大切な人に薬物リハビリを勧める最善のタイミングは、常に「できる限り早く」です。
年末年始の連休は良いチャンスだと思って
以上が海外の記事からの翻訳でした。
これは実際の話ですが、薬物に関するご相談されるご家族の皆さんの多くが「今は様子を見ます」「本人のやる気が出るまで待ちます」とおっしゃいます。薬物を使用し続けてもまだ死んでいないから大丈夫、仕事ができている、学校に行けているから大丈夫…この先起こることを恐れて、皆さんおっしゃることは似通っています。
確かにまだ命はあるでしょう。しかし、死に向かっているのは間違いないのです。
そして実際に命を落とす人々がいます…では、いつこれを止めれば良かったのでしょう?お墓の前で手を合わせて考えるのは、遅すぎると思いませんか。
この悪循環を食い止め、薬物のない幸せな人生に導くお手伝いをするのが、私たちの使命です。
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