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薬物依存、親の愛が落とし穴?


わが子の薬物問題に向き合うとき、親は「守らなければ」と必死になります。しかし、その愛情が思いがけず依存を長引かせてしまうことがあります。本当に回復につながる支え方は、守るだけでは足りない時があります。それを今一度考えてみましょう。

イネーブルとは何か

薬物依存の問題は、薬物という物質そのものの問題にとどまりません。薬物を使うことによる心身へのダメージ、人間関係の悪化、仕事への影響、お金の問題、犯罪への関与…枚挙にいとまがありません。しかし、長く続く薬物依存問題の根底には意外な落とし穴があるものです。

それは、水なくして植物が育たないように、薬物依存の状態もまた、「何か」の支えによって助長される点です。薬物依存者の周りには、必ずその依存が続いてしまう理由があります。

薬物依存の世界には「イネーブル」という言葉があります。これは”enable(可能にする)”という英語からきており、「善意で取ったはずの行動が、結果的に依存を続けることを“可能にする”」という意味で使われます。

例えば、トラブルの後始末を親が代わりにする、仕事を休んだ理由を周囲に取り繕う、お金を渡す、家にいさせる、ご飯を食べさせる…これらはすべて、予期せずイネーブルになってしまいかねません。もちろん、どれもその人のためを思っての行動ですよね。しかし、その結果何が起こっているのかを見る必要があります。

本人は「このままでもなんとかなる」と思っています。なんとなく住む場所と食べ物があり、自分の問題と真正面から向き合わなければならない危機感は失われます。薬物をまた使っても、家族は家にいさせてくれたりします。

薬物をやめられない構造

周りが愛情深いがゆえに起きてしまう現象だからこそ、イネーブリングは薬物依存問題を解決するうえでも最も厄介なポイントのひとつです。私たちは、本人が持っている薬物に対する強い欲求の問題と並行して、もうひとつの構造を理解しなくてはいけません。

それは「薬物依存とは単なる意志の問題ではなく、環境によっても悪化する、または助長されるものである」ということです。

もちろん、薬物そのものがご本人に及ぼす心身の影響はひどいものです。自分の力では抗うことのできない欲求という悪循環に陥っていきます。しかし、回復を妨げる環境がそろうことによって、やめにくい状態は固定化していきます。

「悪い環境」というと一般的に「悪い仲間が周りにいる」「売人と縁を切れない」状態を想像するかもしれませんが、実はイネーブルする人がいることも、別の側面からの直接的な悪影響と言えます。

もしかしたら、その人は逮捕されてしまったけれども拘留からアッサリ帰ってこれたり、執行猶予がついたから普通の社会生活に戻れたのかもしれません。それを見ると家族は、ある種の安心感を得て…もしかしたら問題を軽く受け止めてしまうかもしれません。

もう思い出したくもなくて、忘れようと決意したのかもしれません。またはリラックスしようと言って、一緒に飲酒するのかもしれません(飲酒は薬物使用や渇望への引き金となります)。そんな日常の些細な行動が、実は彼の依存を静かに支え続けているとも知らずに。

本当に助けるということ

あなたは、薬物依存の状態を抱えるその人をずっと助けてきたのではないでしょうか。しかし、彼が薬物問題をまだ抱えていること、そして、その間にも、家族の側だけが疲れ果て、心身ともに追い詰められているならば、方向性を変える時に来ているかもしれません。

では、どうすれば「本当に助ける」ことになるのでしょうか?

それは感情に任せて叫ぶことでも、怒りで押さえつけることでもありません。必要なのは、明確な境界線を設けることです。薬物を使用するなら金銭的援助はしない、問題が起きても責任を肩代わりしない、そして落ち着いた態度で「このままでは支えられない」と伝えてください。その過程で、家から追い出したり、突き放したりすることが回復のために必要なステップとなることもあります。

冷たいように感じるかもしれませんが、現実と向き合う機会を奪わないことこそ、本当の愛情です。そして、同時に忘れてはならないのは、これらの明確な境界線、そして厳しい愛情の意思表示は、効果的な薬物依存リハビリ・プログラムがあってこそ成立します。

やみくもに「薬物をやめろ」と言っているわけではありません。あなたを助けることはできる。だからこの差し伸べた手をどうか受け入れてほしい…これはあなたが彼に与えられる正しい助けです。

回復の可能性は、決して失われていません。対応に迷われたら、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。私たちが丁寧にお話をお伺いします。

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