フェンタニルって聞いたことありますか?これは主にアメリカで乱用され、甚大な被害を生んでいる強力な薬物です。指先に微量付着しただけで、警官が倒れる事件まで起こったことがあります。今日はこのフェンタニルについてお話ししましょう。
フェンタニルで倒れるって?
先述した、警官が倒れてしまった事件。これは、フェンタニルがいかに強い毒性の作用を持つ薬物かを物語るひとつの事例となりました。
そもそもフェンタニルは合成麻薬であり、自然発生したものではありません。合成麻薬とは、大麻やコカインなど、すでに存在する薬物の化学構造をまねしたり、もしくはもっと効果を強力にしようとまったく新しい化学物質を取り入れたりして、人工的に合成した薬物を言います。

元にした薬物と同じどころか、それ以上のひどい精神への作用や有害な効果が生まれることも少なくありません。フェンタニルはもともと鎮静剤として医療の現場で使われていたそうですが、その安さと手軽さによって、薬物の売人たちの格好の的となった結果がこれです。
2023年の統計では、フェンタニルが原因で亡くなった人たちは年間11万人と言われていました。11万人てどれくらいかと言いますと、東京の東久留米市の人口くらいです。ナルコノンのある千葉県内でいうと、鎌ヶ谷市もそれくらいの規模です。この薬物によって失われた命の数は、ひとつの市がまるまるなくなってしまうほどだったということになります。
これほどまでの影響を及ぼす原因は、致死量2mgと言われるフェンタニルの持つ、超強力な毒性に他なりません。
フェンタニルで倒れた警官はどうなった?
今やアメリカでは銃よりもおそろしい兵器とも言えるフェンタニルですが、少し調べてみただけでもアメリカでは似たような事件がいくつも起こっています。フェンタニルは、体内に取り込まなくても、皮膚に触れただけで影響があるのです。

過去の事故の例
2020年9月、カリフォルニア州サンフランシスコで、フェンタニル中毒の人が車を運転して(この時点でかなり怖い)衝突事故を起こし、現場に駆けつけて対応した警官や消防隊員が次々に具合が悪くなって病院に運ばれた。
2022年12月、交通取り締まり中の女性警官が、フェンタニルを所持していた運転手を逮捕して連行している途中で呼吸困難が始まり、意識がもうろうとして倒れる事態に。
2024年4月、カリフォルニア州で、保安官が犯罪現場を捜査中にフェンタニルが指先に付いてしまい瀕死の状態に。これは動画が残されていたため、劇的な救出劇が当時のニュースでも話題になりました。
これらの警官たちは、意識が戻ったあとも数回失神するなど症状は深刻だったようですが、一命をとりとめたとのことです。

ちなみに2022年アメリカの麻薬取締局は、4.5tのフェンタニルを押収。これは3憶7900万人を死にいたらしめる量だと計算されています。
え、もう規模が大きすぎてわからないんだけど?
と思ったそこのあなた。この数字は大体アメリカの人口に匹敵します。なんとおそろしい…。
フェンタニルと覚せい剤の似ているところ?
日本ではまだ、フェンタニルの流行は認められていませんし、死亡事例もほんのわずかです。しかしながら、薬物リハビリ施設のスタッフとして私が懸念するのは、警官を死の淵へ追いやるほどのこのフェンタニルの毒性を理由に、他の薬物を「まだ大丈夫なもの」として軽んじる傾向です。
これは覚せい剤の存在によって、すでにある程度日本でも起こっている現象です。
覚せい剤の強い依存性をおそれ、薬物使用者の間でも「覚せい剤をやったら人生終わり」「覚せい剤は避けるが、他の薬物はすべて大したことはない」そんな言い訳が横行しているのは今に始まったことではありません。
私は声を大にして言います。大麻も、コカインも、LSDも、MDMAも、ケタミンも、あれもこれも…薬物はすべて毒です!
なぜそんなものが人生に必要不可欠になってしまったんでしょう?
薬物を取り始めた理由と、薬物を使い続ける理由は違うことも多いでしょう。
しかしながら、いずれにせよ、その人には薬物を使わないと耐えられないような、人生の問題が先だって起こっていたはずなのです。
ナルコノンは、その薬物を使ってしまう本当の理由を見つけて解決する場所です。
薬物を長年使い、もうやめることは無理だと思っているなら、その答えはきっと、ナルコノンの素晴らしい卒業生たちが笑顔で語ってくれるでしょう。
薬物でお困りの方は、今すぐにご連絡くださいね。親身にお話をお伺いいたします。
薬物やアルコール依存について情報を得たい方へ
薬物やアルコール依存の問題に関する情報を配信します。
