世の中には薬物と呼ばれるものがたくさんあります。ヘロインや覚醒剤、コカインにMDMA、大麻やアルコールも薬物です。薬物には定義があります。それは、①身体的もしくは精神的な依存性があり、②身体に害があり、③心に悪影響を及ぼすものです。この定義を参考にして今回のテーマであるヘロインと大麻が、なぜ薬物であるのかを考えてみましょう。最後にはこの二つの薬物を比較してみることにしましょう。
ヘロインとは
ヘロインは、けしを原料とした薬物(けしからあへんを採取し、あへんから抽出したモルヒネを精製して作られます)、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。純粋なヘロインは白色粉末ですが、純度の低いものには灰色や灰褐色のものもあり、粉末のほかに棒状、板状、粒状などさまざまな形状のものがあります。一般的には無臭ですが、中には酢酸の臭いのするものがあります。
ヘロインには神経を抑制する作用があり、使用すると強い陶酔感を覚えることから、このような快感が忘れられず、使用を繰り返すようになり、強い精神的依存が形成されます。
さらに、強い身体的依存が形成され、2～3時間ごとに使用しなければ、体中の筋肉に激痛が走り、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛み、嘔吐、失神等の激しい禁断症状に苦しむこととなり、あまりの苦しさから精神異常をきたすこともあります。
米人気ミュージカルドラマ「グリー」への出演で知られているカナダ人俳優のコリー・モンテース氏の死（2013年）や「カポーティ」でアカデミー主演男優賞を受賞したアメリカ人俳優のフィリップ・シーモア・ホフマン氏の死はどちらもヘロインが関わるものでした。
大麻（マリファナ）とは
大麻（マリファナ）は世界で最も乱用されている薬物のひとつです。
大麻は、紙巻タバコ（ジョイント）として喫煙したり、パイプや「ボング」として知られる水パイプで吸引することもできます。 また食べ物に混ぜたり、お茶として飲用されることもあります。
時には、葉巻を開いて、タバコを取り除き、マリファナと取り換えて使用されることもあります。これは「ブラント」と呼ばれます。 ジョイントやブラントは、クラック･コカインやPCP（麻酔薬の一種、強力な幻覚剤）などの一層強力な薬物とともに用いられることもあります。
ジョイントの煙を吸うと、通常、数分でその作用が感じられます。 すぐに感じられるのは、心拍数の増加、身体の調整機能やバランスの低下、「夢のような」非現実的な心理状態などで、30分以内にそのピークを迎えます。 こういった即効性の作用は通常2～3時間で消えますが、摂取する量やTHCの強さ、混合される薬物によっては、それよりも長く続く場合もあります。
ところで、大麻は死なないから安全である、とどこかで聞いたことがあるかもしれません。大麻の吸引を正当化する人からよく聞く文句です。しかし2022年、大麻が合法化されたタイにおいて、50代の男性が大麻を吸引後に心不全で亡くなるという事件がありました。思い切って合法化に踏み込んだタイでしたが、現在は大麻の再規制が行われています。
ヘロインと大麻の比較
ヘロインと大麻を一概に比較することはできません。それぞれが、脳や体に深刻な被害を引き起こすことに変わりはありません。確かに、大麻は世界の一部の国では使用が認められていたりもします。ただ、いわゆる合法化の背景には合理的な理由というものが必ず存在します。
合法化の理由は決して大麻が安全だからという理由や、身体に良いからという理由ではありません。使用を許可したのではなく、無秩序な状態に秩序を入れるために法制化したという背景です。
例えばカナダの場合は、大麻が合法化される前には取り締まりに年間莫大なお金（約850億円と言われています）をかけていましたが、薬物問題を解決できずに困り果てていました。その間にも年間（約6000億円）というお金が違法大麻を売り捌く犯罪組織に流れ込んでいたと言われています。
大麻を法律の下で管理することで闇市場を縮小させ、さらに専売所での大麻の販売で税収を上げ、さらに若者対策の為、大人の使用は合法化しつつ、未成年への譲渡などを厳しく禁じるという狙いのもと、合法化されたという背景があります。
ヘロインであろうが、大麻であろうが薬物は薬物です。合法か違法かで判断するのではなく、自分の体を大切にするために薬物は取ってはいけません。薬物問題でお困りの方は、今すぐここナルコノンジャパンにお電話ください。ナルコノンジャパンは、薬物の依存から回復することのできる入所型のリハビリ施設です。
参照ページ
埼玉県警https://www.police.pref.saitama.lg.jp/e0130/kurashi/hanzai-yakubutu5.html
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