アルコールはおそらく、日本では人々にとって最も身近な薬物でしょう。私も含め、多くの人たちが飲んだ経験がありますよね。そして、アルコール依存症にまで発展する人と、そうでない人がいることも事実です。今日は、薬物リハビリ施設のスタッフが、その依存の度合いがどのように進んでいくかを5つのステージに分けてお話しします。
アルコール依存症のステージとはなにか
残念ながら、アルコール依存症の進行具合を見極めるものさしはこの世にありません。それに加えて、アルコールの影響下にある本人が、一番その状況を自覚できていないわけです。ですから、実際に起こっている事実を観察することによって判断していかなくてはなりません。
アルコール依存症の進行ステージに、確固たる決まりはありません。例えば「二日酔いの人はステージ①です」とか、「お酒のせいで仕事を休んだらステージ②です」とか、そのような明確な線引きはないという意味です。しかしながら、お酒を毎日飲んで暴言を吐く状態の人を、「まだ放っておいても大丈夫」と思う人は少ないでしょう。
薬物およびアルコールには、依存が進んでいく明確な段階が4つあります。それがこちらです。
- 速くなる(ハイになる、楽しくなる、汗をかくなど、活発な動き)
- 遅くなる(ろれつがまわらない、千鳥足になるなど、鈍い動き)
- 意識を失う・寝る(毒物をこれ以上取り込まないように、身体の活動が強制終了する)
- 死ぬ
*さらに詳しい内容はこちらの記事でお読みいただけます。
ですから今日は、この段階を踏まえて、アルコール依存症の方の実際の行動を軸に進行のステージを見ていきます。
行動で見るアルコール依存症の進み具合
ステージ1.お酒を飲むことが習慣になる
週に1度友だちと飲むなど、習慣が入り込んできます。「お酒があると楽しい」というポジティブな気持ちがあります。二日酔いがあったら飲むのを控えるなど、まだ自力で調整ができます。
ステージ2.お酒を飲む量が増える
お酒のことを考える時間が増え、飲む量も増えます。耐性がつき「お酒に強くなった」と感じるかもしれません。「お酒切らしちゃった…買ってこよう」と繰り返すうちに、度数の高いお酒を試し始めるかもしれません。飲まないことで不安を感じ始めます。
ステージ3. 毎日飲むようになる
量が増えた後は、実際に飲む時間も増えていきます。ついついお酒が手放せない状態。飲まないと手が震えるなど、身体に異常が現れてきます。朝から飲む、ひとりで飲む、はかなり要注意です。飲んではいけない場面や、飲酒を止められたときにも飲むようになり、周囲とのトラブルが表面化してきます。
ステージ4.飲んだことを隠す
飲んでいないと嘘をつくようになり、周りの人とのコミュニケーションが取りにくくなります。他の大切なことよりもお酒を優先している証拠です。この頃には、仕事を失う・家族に見放されるなど、問題も深刻化しています。
ステージ5.食べずに飲む
この頃には病気が発覚しているかもしれません。身体を害してもやめられないのは、かなりの依存の度合いです。酒を飲むと体が復活すると感じる人もいます。
アルコールを安全にやめることの大切さ
ざっくりと5つのステージに分けてお伝えしましたが、アルコールの依存に関する問題には、ここには書ききれないほどのトラブルが含まれます。
また、大量のアルコールを毎日飲む方、もしくはそのようなご家族にお困りの方がいらっしゃるならば、ひとつ大きな忠告を書き添えなければなりません。それは、「突然アルコールをやめることもまた危険である」ということです。
大量飲酒・連続飲酒の方は、ある日突然飲酒をやめると、3~4日ほど遅れて激しい離脱症状を示す方がいます。それは、覚せい剤などの違法薬物の離脱症状並みの、「虫が見える」「人が襲ってくる」などの幻覚と幻聴が含まれます。もしかすると、これはアルコール依存症の進行ステージ6として書き加えられるのかもしれません。
ですからアルコール依存症には、正しい知識を持って安全にやめるための技術が必要です。
ナルコノンでは、アルコールの依存を克服するためのサポートをしています。
どのような辛い状況からも、ひどい状態からも、人は人生をやり直すことができます。
しかし、ひとりですべてを乗り越えるのは難しいものです。正しい知識を得て、安全な環境で、サポートを受けながらお酒に別れを告げましょう。
アルコールや薬物の依存の問題でお困りの方は、今すぐにナルコノンジャパンにご連絡ください。スタッフが親身にお話をお聞きいたします。
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