環境がアルコール問題の解決に貢献することもあれば、逆に環境がアルコール問題を引き起こすこともあります。特に日本においては、アルコールを飲みやすい社会や文化、宗教となっています。海外から見ると、驚くような事情なのかもしれません。
世界のアルコール事情
日本は世界的にもアルコールに寛容な文化であるといえるでしょう。例えば、キリスト教にはアルコールに対する一定のルールが存在しています。日曜日は安息日のため、アルコールの販売が禁止されていることが多いです。また、イスラム教でも飲酒に関する厳しい規律があり、中には完全禁酒の国もあります。
これらの国々では、アルコール度数の高いお酒は専売所があったり、アルコールの販売に時間制が設けられていたり、アルコール購入の際にはID(身分証明)の提示を求められることも、当然のこととして文化の中に根付いている場所もあります。
公共の場での飲酒が禁止されている国も多くあります。中国や韓国、イギリスなどでは合法ですが、アメリカでは公共の場での飲酒は事実上禁止されています。オープンコンテナ法といって、アルコールの入った容器(缶や瓶など)を、開封されている状態で持っていること自体が禁止されるというルールが存在します。
日本の常識が、世界の常識とは限らないのですね。
アルコールに寛容な日本
日本は様々な面において、アルコールに対する規制が少ない国と言えます。
宗教的にアルコールが規制されている人も少なく、そもそも無宗教である人も多いです。
また、アルコールの入手もかなり容易な環境です。日本では、コンビニに行けば24時間いつでもアルコールを購入することができます。
新型コロナウイルスが蔓延する以前は、お酒を飲む場所を探すことは難しいことではありませんでした。現在においても、提供時間の規制はありますが、昼飲みを謳い文句にするお店は少なくありませんよね。
公共の場においての飲酒も規制がほとんどなく、お花見という文化があるほど、屋外で飲むことを楽しむことだって日常的にあります。
外国人観光客は、日本人が屋外で乾杯している様子を興味深げに見ていることもありますし、その様子を写真に撮る人さえいます。これは、公共の場で飲酒が出来る日本にいるよ!という、珍しい環境に来たというメッセージ的なものにも近いのかもしれません。
また、治安の良さが裏目に出ているのが、酔っ払いが道端で寝ていたり、電車やバスでビール片手に帰宅しているサラリーマンの姿も見かけることもあります。
これらは海外の人々から見ると、良く悪くも、とても珍しい光景に映ります。
制限が少なく、自由なお国柄であるということは、それだけ、自己規律が必要ということでもあります。
我々、薬物依存・アルコール依存のリハビリ施設職員という視点からすると、アルコール依存を助長しやすい環境であるともいえます。
いつでもどこでも、お酒を購入することも、飲むことも、酔っぱらうことも可能な環境ということは、それだけ、アルコール依存を解決しにくい環境と言えますから、環境を変えることは、アルコール問題の解決への大きな鍵となります。
ナルコノンで、それを達成しましょう。
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