昨年、某有名大学のアメフト部員が大麻で逮捕され、大きな話題を呼んだことは記憶に新しいです。そして今朝、再び大麻関連のニュースが大々的に報道されました。それはまたしても、別の某有名大学のアメフト部の部員が大麻を使用したというものです。昨年に続き今年もアメフト部員の大麻使用がクローズアップされ、大学アメフト界全体に暗い影が差しています。それではなぜ、アメフト部で大麻は流行っているのでしょうか?今日はそんなお話です。
大麻の蔓延
ここ数年の日本において、もはや大麻の蔓延は否定し難い事実となってしまいました。特に現代の若い世代において、大麻は身近にあります。その証拠に昨年、福岡県内で戦後初めて大麻の検挙人数が覚醒剤を上回りました。そして大麻検挙者のうち若年層(30歳未満)の割合は80%を超えています。
若年層の大麻使用といえば、昨年沖縄県で14歳の中学生が大麻の所持で逮捕されたこともありました。14歳の中学生ですよ。
中学生でも大麻を入手できるのが現代の社会です。主にインターネットを使って、大麻を簡単に入手できてしまいます。興味本意で大麻を買って、すぐに試すことができるのです。
スマホ画面の向こう側の世界は、あたかも自身の周りで起きているかのように錯覚します。あなたの生きる現実で、あなたの身の回りにはいなかったとしても、画面の中には大麻を当たり前に喫煙する人たちが沢山いるのです。
なぜアメフト部で大麻が流行るの?
アメリカのプロアメリカンフットボールリーグであるNFL(National Football League)の元選手であるマルセラス・ベネットさんはインタビューで、89%のNFL選手が大麻を使っているだろうと発言したことがあります。
それではなぜアメフト選手は大麻を使うのでしょうか?
怪我や痛みに効くから?
アメフトの過酷さはスポーツの中でもトップクラスだと言えます。大きな男同士が全力でぶつかり合う競技ですから、フィジカルのダメージは相当なものでしょう。アメフトに怪我や痛みはつきものであり、選手がそのようなリスクを背負いながらプレーをしていることは確かです。
大麻には鎮痛作用があると広く信じられており、その鎮痛薬としての効果を期待して利用されることがあります。ですから、アメフトの選手がそのような目的で使うことも理屈としては理解できますし、先ほど紹介したベネットさんの発言も、そのようなことが言いたいのだと思います。
しかし、そもそも大麻に鎮痛作用はあるのか。懐疑的な見方もあります。
国際疼痛学会(IASP)は痛みのメカニズム解明とその治療の可能性を探る学際的な学会ですが、学会は2021年に、大麻を使った鎮痛剤を推奨しないことを決定しています。というのも、信頼できる研究で大麻成分であるカンナビノイドに十分な鎮痛効果があることを示している論文はないのだそうです。
また「JAMA Network Open」に公開された臨床試験のレビュー論文も、プラセボ(偽薬)を処方された人間でも、カンナビノイドと似たような鎮痛効果が出ており、有意な差は認められないと結論づけています。つまり、大麻そのものが痛みを緩和しているのではなく、痛みに効くという期待が痛みを和らげている可能性すらあるということです。
痛みが消えればどちらでもいい?
いずれにせよ、大麻を吸って痛みが消えるのであればそれでもいいという意見があるかもしれません。しかし、それは大事な選手の健康状態を十分に考慮しない粗野な意見でしょう。大麻には依存性があり、精神をおかしくする可能性が十分にあります。
肉体的、精神的な痛みから逃れたくて大麻を使用するようになれば、やがて大麻を手放せなくなっていくでしょう。体に耐性がつけば、大麻はどんどん効きづらくなっていきます。その時、次は何に頼りますか?強い鎮痛作用を持つ薬物を欲するようになるんじゃないですか?
大麻の鎮痛作用は、大麻の合法化を狙う人がしきりに用いる謳い文句です。ただその害悪については、基本的には語れないのが現状です。
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参照ページ
大麻の鎮痛効果は単なる思い込みか、メディアが期待を煽りすぎ
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/011200016/
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