フェンタニルは、非常に強力な鎮静薬で、主にがんの末期症状など、重度の痛みを緩和するために医療現場で使用されます。しかし、その強力な作用ゆえに、アメリカでは依存・過剰摂取が大きな社会問題になっています。日本においても他人事ではなくなっています。今日はあまり知られていないフェンタニルの危険性と、その隠語についてお話しします。
フェンタニルとは
近年、医療用麻薬の中でも特に乱用が深刻化しているのが「フェンタニル」と呼ばれる合成オピオイドです。鎮痛薬として広く知られている「モルヒネ」は古くから使用されていますが、フェンタニルは1960年にベルギーの製薬会社ヤンセン社によって開発され、モルヒネよりも高い鎮痛効果を持ちながら、副作用が比較的少ないとされる薬剤です。
日本国内でも、フェンタニルは貼付剤を中心に医療現場で使用されており、特に末期がんの疼痛緩和においては欠かせない医薬品の一つとなっています。
しかしながら、フェンタニルは強力な麻薬であるため、使い方を誤ると身体的依存が生じやすく、不適切な使用によって乱用に繋がるケースが後を絶ちません。最近では、正規の医療用途を逸脱した使用が世界各地で問題となっており、特にアメリカやカナダでは社会問題にまで発展しています。
2020年代以降、アメリカではフェンタニルによる薬物過剰摂取の死亡者数が急増しています。2023年には年間7万人以上がオピオイド系薬物で亡くなり、その多くがフェンタニル関連とされています。
フェンタニルで命を落とした人々
薬物乱用というと、発展途上国や貧困層の問題というイメージを持たれるかもしれませんが、フェンタニルの乱用はむしろ先進国、特に北米や東欧の白人層を中心に拡大しています。
たとえば、2016年には有名アーティストのプリンス氏、2017年にはロック界の重鎮トム・ペティ氏がフェンタニルの過剰摂取により命を落としたことが報道され、大きな波紋を呼びました。またハリウッド俳優ロバート・デ・ニーロ氏の孫もフェンタニルが原因で命を落としています。
アメリカでは以前から麻薬の蔓延が課題とされてきましたが、致死的な過剰摂取が顕著になり始めたのは1990年代に入ってからだそうです。当初はモルヒネやコデインといった天然由来のオピオイドが中心でしたが、2010年代半ば、特に2013年頃からはフェンタニルを含む合成オピオイドによる死亡が急増し、今日のオピオイド危機へと繋がっています。
へロインのおよそ50倍、モルヒネのおよそ100倍の効果があると言われるこの薬物は、一錠取っただけでも死に至る可能性があります。ヘロインやモルヒネは世界で最も危険な違法薬物の一つに数えられるものですが、それを遥かに上回る効果を持つフェンタニル。恐ろしいです。
フェンタニルに隠語はある?
インターネットを検索したところ、フェンタニルに隠語があることは確認できませんでした。フェンタニルが日本の薬物依存者の間で広まっているのかも謎のままです。
ただ、フェンタニルと称して薬物が販売されていなくても、他の違法薬物に混入されて販売されていることは十分に考えられます。ほんの少量で強力な効果を得られるこの薬物は、売人にとっては都合が良いかもしれません。
違法薬物を摂取してはいけません。違法薬物には何が混ざっているか分からず、得体の知れない薬物をとることは危険極まりないです。あなたが命を落としても、売人は責任を取ってはくれません。
もし違法薬物を摂取してしまったら、、、
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